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証券税制早わかり

証券税制早わかり 上場株式等の譲渡損失に係る損益通算および繰越控除

「特定の譲渡」による上場株式等の譲渡損失

POINT

特定の譲渡による上場株式等の譲渡損失については、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等(特定公社債等の利子所得を含む)との損益通算や繰越控除を行うことができます。

  • 上場株式等の譲渡損失のうち、①その年分の上場株式等の配当所得等(特定公社債等の利子所得を含み、申告分離課税を選択したものに限る。以下同じ。)との損益通算の適用対象となるもの、または、②翌年以後3年内の各年に生じた上場株式等の譲渡益や上場株式等の配当所得等からの繰越控除の適用対象となるものは、金融商品取引業者等(証券会社等)を通じた譲渡その他の「特定の譲渡」により生じた損失に限られており、いわゆる相対取引などにより生じた譲渡損失は損益通算や繰越控除の適用対象となりません。
  • 「特定の譲渡」とは、次に掲げる譲渡またはみなし譲渡をいいます。
  • 金融商品取引業者等(証券会社等)への売委託による譲渡
  • 金融商品取引業者等(証券会社等)に対する譲渡
  • 上場株式等の発行法人が行う合併、分割型分割、株式分配、資本の払い戻し、自己株式の取得などの事由によるみなし譲渡(=みなし配当等以外の部分)
  • 上場株式等の発行法人が行う株式交換または株式移転による完全親法人に対する譲渡(課税繰り延べとなるものを除く)
  • 上場株式等の発行法人に対する単元未満株・端株の買取請求による譲渡
  • 上場株式等の発行法人に対する新株予約権付社債についての社債、取得条項付新株予約権またはそれが付された新株予約権付社債の譲渡(課税繰り延べとなるものを除く)
  • 上場株式等の発行法人が株主等に代金を交付するために行う1株未満の端数の競売等による譲渡
  • 投資信託や特定受益証券発行信託の受益権で上場株式等に該当するものの終了もしくは一部の解約、その特定受益証券発行信託に係る信託の分割または特定公社債・公募社債的受益権の元本の償還によるみなし譲渡
  • 信託会社(信託業務を営む金融機関を含む)の国内にある営業所に信託されている上場株式等の譲渡で、その営業所を通じて、外国証券業者への売委託により行うものまたは外国証券業者に対して行うもの
  • 国外転出(相続・贈与)時課税の特例によるみなし譲渡
  • 「特定の譲渡」により生じた上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当所得等との損益通算や繰越控除を行うには、原則として確定申告が必要です。ただし、源泉徴収ありの特定口座に受け入れた上場株式等の利子・配当金・分配金がある場合、その特定口座内において、その年に生じた上場株式等の譲渡損益を通算して残った譲渡損失とその上場株式等の利子・配当金・分配金との損益通算が年末に自動的に行われるので、原則として確定申告は不要となります。しかし、この特定口座内で損益通算をしてもまだ通算しきれない譲渡損失が残っているなどのため、その特定口座内の譲渡損失について確定申告をする場合は、その特定口座に受け入れた上場株式等の利子・配当金・分配金の全額について同時に確定申告をしなければなりません。
  • (注)大口個人株主(投資主を含む)が内国法人から支払いを受ける上場株式(投資口を含む)の配当金については、申告分離課税を選択できないので、上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除の適用を受けることはできません。

特定投資株式を保有のお客さまの場合の留意点

  • いわゆるエンジェル税制の対象である「特定投資株式」については、それが一般株式等に該当する場合であっても、①その取得に要した金額は、他の一般株式等または上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除できること、②その譲渡損失は、他の一般株式等または上場株式等の譲渡益から控除できること、③その譲渡損失についての繰越控除は、翌年以後3年間の一般株式等または上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除できること、その他の特例がありますので、特定投資株式を保有のお客さまは、これらの特例の適用についてもご留意ください。

MEMO

上記の「損益通算」とは、その年に生じた上場株式等の譲渡損失を上場株式等の配当所得等から控除することをいい、「繰越控除」とは、その年の前年以前3年内の各年において生じた上場株式等の譲渡損失をその年に繰り越して、その年に生じた上場株式等の譲渡益や上場株式等の配当所得等から控除することをいいます。

ケーススタディ

(1)平成30年分の上場株式等の配当所得等との損益通算や繰越控除が可能な上場株式等の譲渡損失

  • 平成30年に支払いを受けた上場株式等の配当所得等との損益通算や繰越控除の適用対象となる上場株式等の譲渡損失は、平成30年に生じた譲渡損失と平成27年・28年・29年にそれぞれ生じた譲渡損失のうち平成30年に繰り越されたものです。
  • 損益通算と繰越控除のいずれも適用可能な場合は、まず損益通算を行ったうえで、前3年以内の古い年に生じた上場株式等の譲渡損失から順に繰越控除を行うことになっています。
  • 仮に、平成30年に上場株式等の譲渡益が生じた場合は、前年以前3年内の各年から平成30年に繰り越された譲渡損失について、平成30年の上場株式等の譲渡益、上場株式等の配当所得等の順に繰越控除を行うことになります。

イメージ図

  • 上場株式等の譲渡損失について繰越控除の適用を受けるには、譲渡損失が生じた年分の確定申告を行い、かつ、その後において毎年連続して確定申告をしなければなりません。

(2)平成30年分(2018年分)の上場株式等の譲渡損失の翌年以後3年間の繰越控除

その年に生じた上場株式等の譲渡損益を通算した結果、金融商品取引業者等(証券会社等)を通じた譲渡など特定の譲渡(「「特定の譲渡」による上場株式等の譲渡損失」ご参照)による上場株式等の譲渡損失が残った場合は、その譲渡損失を翌年以後3年間に繰り越して各年の上場株式等の譲渡益から控除することができます。

繰越控除イメージ図

  • 「証券税制早わかり」の掲載内容は、個人のお客さまが主な投資対象とされている株式、証券投資信託(株式投資信託・公社債投資信託)および債券(公社債)に関する税制を中心に、平成30年4月1日現在の法令に基づいて作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。また、証券投資の参考に資することを目的として作成したものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません。
  • 「証券税制早わかり」の掲載内容は、証券税制についての一般的な説明を目的として作成しておりますので、実際の税務上のご質問および対策などについては、専門の税理士などにご相談ください。
  • 「証券税制早わかり」に記載されている商品等にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸費用等をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。詳しくは、各商品のお客さま向け資料、契約締結前交付書面、目論見書等をご覧ください。
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