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ファイナンシャルプランナー大竹のり子「知っておきたい! 人生を豊かにするお金のハナシ」 ファイナンシャルプランナー大竹のり子「知っておきたい! 人生を豊かにするお金のハナシ」

連載第12回「投資をしないリスクと不安なセカンドライフ」

インフレ時にはお金の価値が目減りする!?

アベノミクスという言葉が浸透して数年が経ちました。この第二次安倍内閣の旗振りのもと、日銀が掲げているのが、デフレ(物価下落)からの脱却、そして「2%」というインフレ(物価上昇)目標です。

インフレとは、物価上昇、つまりモノやサービスの価格が上がることを指します。ご存知の通り、アベノミクスが始まるまで、日本経済は長引く不況やデフレに悩まされていて、消費者物価上昇率は0%前後(生鮮食品を除く・前年比)でした。モノの値段が上がりませんから企業の収益は停滞、労働者の給与は増えない、よって消費は広がらずに景気は低迷したままという負のスパイラルに陥っていました。

ところが、2013年1月にこのインフレ目標が掲げられて以降、同年末に物価は1.3%まで上昇しました。これにより、企業収益や国内消費の改善、引いては日本経済の立て直しを図るのが目的ですが、ある程度の効果を示すことができました。2014年は消費税率の引き上げもあり、いったんは落ち着いていますが、2015年10月の日銀展望レポートでは、インフレ率2%程度に達する時期を「2016年度の後半頃」と予想していますから、今後も引き続き物価上昇率が緩やかに高まっていくと思われます。

インフレ時にはお金の価値が目減りする!?(挿絵)

ただし、インフレには良い面ばかりではありません。それは、インフレによってモノの値段が上がるということです。すなわち「お金の実質的な価値が目減りしていく」ということを意味するからです。例えば、ジュース1本の価格が130円から150円になれば、同じモノに対して支払う金額が増えるのですから、お金の価値は下がったことになります。

つまり、緩やかな物価上昇が見込まれる状況において、資産を金利が低い普通預金や定期預金に預けているということは、お金を増やす機会を見逃しているということだけでなく、知らず知らずのうちにお金が目減りしていることを意味するのです。
仮に、物価が2%上昇するのに、ほぼゼロ金利の預金しかしていないとなると、その差分だけ、自分の資産を減らすのと同じこと。2%以上の運用をしないことには、実質的に資産は増えることになりません。

将来に向けてお金を貯めるには“お金に働いてもらう”こと

これまでのコラムでもお伝えしてきましたが、将来のためにお金を貯めたいのであれば、お金に「働いてもらう」ことで増やしていく、という視点が不可欠です。

例えば、毎月3万円を20年間積み立てした場合、積立総額は720万円。金利0.1%の預金であれば20年後に約727万円ですが、利回り3%で運用ができれば約985万円、そして利回り5%であれば約1,233万円と、運用することで増やすことができます。たとえ2%のインフレが起こったとしても、それ以上に資産を増やすことができているので、インフレ対策としても有効ですね。

投資というと、どうしても「リスク」だけに目が行きがちですが、投資をするリスクがあるのと同時に、経済状況がインフレに向っているときに起こる「投資をしないリスク」もあります。投資のリスクを恐れてばかりで何も行動を起こさないままでいると、知らず知らずのうちにお金が目減りしてしまうというリスクをとっていることになりかねません。

また、「老後の生活が不安」「お金が貯まらなくて不安」と思いながら日々の生活を送ることは、一度きりの人生を心から楽しめないという、お金が減ることよりももっと大きなリスクにつながってしまう可能性もあります。そういったリスクを回避するために、投資は有効な選択肢のひとつといえます。
どんな金融商品があるのか、どんな仕組みになっているのか、自分にはどれが合っているのかといったことをしっかり学んだうえで、ぜひ、後悔しない人生を送るための味方につけて欲しいと思います。

お金が働く手段は幅広いライフプランに応じて使い分けよう

ファイナンシャルプランナー大竹のり子さん(挿絵)

本コラムではこれまで、豊かなセカンドライフを迎えるために、さまざまなポイントを各回で解説してきました。

前提としては、老後の生活に不安があるなら、1日でもはやく行動を起こすことです。現時点の収入や資産と照らし合わせ、「いつまでに、どれくらいのお金が必要なのか」をハッキリさせること。その目標をクリアするのに、どういった手段で資産運用を継続的に行っていくのか、具体的には「投資信託」「積立投資」「NISAの活用」をはじめ、年代別の資産運用にも触れてきました。

例えば、連載7回目のコツコツと貯蓄をしてきた40代のシングル女性の相談では毎月の貯蓄の一部を投資信託の積立運用に充てることで、20年後に約250万円もの差が出ることをお伝えしました(運用利回り0.1%と3%の対比で20年間積み立てた場合)。また、住宅ローンの返済に子どもの学費など、何かとお金のかかる40代のご夫婦の相談を受けた連載9回目では、「お金に色をつける」ことをポイントに、定期預金=住宅ローンの繰り上げ返済資金、老後の生活費=投資信託、子どもの教育費=学資保険といったように毎月の貯蓄額を目的別に貯蓄先と運用先を分けることをオススメしました。そして、将来に向けて大きく資金を育てるために重要な「再投資による複利効果」についても例を出しています。また、シングルからディンクス、ファミリー、リタイア前後、リタイア世代といったような異なる世代に向けた悩みを解消してくれる資産運用と考え方についてこれまでの連載でお答えしてきました。

ぜひバックナンバーもご参考に、みなさんのライフプラン、マネープランが豊かになれば幸いです。

プロフィール

大竹のり子さんプロフィール

大竹 のり子(おおたけ のりこ)

株式会社エフピーウーマン代表取締役
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者・1級FP技能士)

出版社の編集者を経て2005年4月に、女性ファイナンシャルプランナーによるお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。
現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演など多くのメディアを通じて正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。
『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は40冊以上に及ぶ。
一般社団法人金融学習協会理事。

株式会社エフピーウーマン

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