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証券税制早わかり 証券投資信託の税金

個人投資家のための 証券税制早わかり

証券投資信託の分類

point 1

証券投資信託は、公社債投資信託と株式投資信託に大別されます。

  • 公社債投資信託とは、信託財産を公社債に対する投資として運用することを目的とするもので、株式、投資口または出資に対する投資として運用しないものをいいます。例えば、MMF・MRFなども公社債投資信託に含まれます。
  • 公社債投資信託以外の証券投資信託のことを、税法上は「株式等証券投資信託」という用語を用いていますが、一般に「株式投資信託」と呼ばれています。

point 2

証券投資信託は、税務上、次の図のように分類されます。この証券投資信託には、外国証券投資信託も含まれます。

証券投資信託について
  • 上の図のとおり、証券投資信託についても、制度上は、上場のものと非上場のものとに区分されますが、国内で上場されているものとしては、株式投資信託に属する特定株式投資信託(注)が挙げられます。

    (注)「特定株式投資信託」とは、信託財産を株式のみに対する投資として運用することを目的とする証券投資信託のうち、その受益権が金融商品取引所に上場されていることその他一定の要件に該当する株価指数連動型の上場投資信託をいいます。例えば、TOPIX連動型上場投資信託・上場インデックスファンド225など多数あります。

point 3

証券投資信託のうち、上場株式等のグループに属するものは、①上場のものと②非上場で公募のもの、一般株式等のグループに属するものは、非上場で私募のものということになります。

証券投資信託の収益分配金

平成28年1月1日以後の証券投資信託の収益分配金に対する税制は、株式投資信託の収益分配金(配当所得)については特段の改正は行われていませんが、公社債投資信託の収益分配金(利子所得)については、債券の利子の場合とほぼ同様の改正が行われました。
なお、外国証券投資信託のうち、①外国株式投資信託の収益分配金に対する税制は、外国株式の配当金に対する税制と同様であり、②外国公社債投資信託の収益分配金に対する税制は、外国債券の利子に対する税制と同様となっています。

(1)株式投資信託の収益分配金(配当所得)

Point1

株式投資信託の収益分配金(特別分配金を除く。以下同じ)の支払いの際に所定の税率により所得税等が源泉徴収されます。

  • 上場・公募株式投資信託の収益分配金に対する源泉徴収税率は合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)です。
  • 私募株式投資信託の収益分配金に対する源泉徴収税率は20.42%(所得税および復興特別所得税20.42%、住民税なし)です。

Point2

株式投資信託の収益分配金に対する課税方式は、上場・公募株式投資信託の収益分配金については上場株式の配当金と同様に申告不要・総合課税・申告分離課税のいずれかを選択できますが、私募株式投資信託の収益分配金については非上場株式の配当金と同様に総合課税(少額配当は所得税のみ申告不要も可)の対象となっています。

  • 上場・公募株式投資信託の収益分配金(申告分離課税を選択したものに限る)は、上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除の適用対象となります。

(2)公社債投資信託の収益分配金(利子所得)

Point1

公社債投資信託の収益分配金の支払いの際に合計20.315%の税率により所得税等が源泉徴収されます。

  • 公社債投資信託の収益分配金に対する源泉徴収税率は合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)です。

Point2

公社債投資信託の収益分配金に対する課税方式は、上場・公募公社債投資信託の収益分配金については特定公社債の利子と同様に申告分離課税(申告不要も可)の対象となり、私募公社債投資信託の収益分配金については一般公社債の利子と同様に源泉分離課税の対象となっています。

  • 上場・公募公社債投資信託の収益分配金(申告分離課税を選択したものに限る)は、上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除の適用対象となります。

証券投資信託の収益分配金に対する課税

証券投資信託の収益分配金に対する課税について

(注)住民税での選択は所得税の確定申告における選択の結果と一致しますので、所得税で申告不要を選択すれば、住民税においても申告不要を選択したことになります。

国内株式投資信託の収益分配金に係る配当控除

国内株式投資信託(特定株式投資信託を除く)の収益分配金について総合課税により確定申告をする場合、その配当控除率は、信託約款で定められた資産運用割合(組入比率)により次のようになります。ただし、外国株式投資信託の収益分配金については、配当控除の適用はありません。

なお、国税庁の「確定申告の手引き」や「特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書」によると、国内株式投資信託のうち「外貨建資産割合」・「非株式割合」のいずれもが75%以下のものを「特定証券投資信託」、これらのいずれかが75%超のもの(次表で「控除なし」となっているもの)を「特定外貨建等証券投資信託」と称しています。つまり、特定証券投資信託の収益分配金は配当控除の適用対象ですが、その資産運用割合(組入比率)によって配当控除率が異なるということです。

配当控除を受ける際の配当控除率

配当控除を受ける際の配当控除率

(注)( )内の数字は、課税所得金額が1,000万円を超える場合の配当控除率です。なお、「課税所得金額」については、国内株式の配当金に係る配当控除をご覧ください。

証券投資信託の譲渡所得等

平成28年1月1日以後は、金融所得課税の一体化により、従来非課税とされていた公社債投資信託の受益権の譲渡(解約・償還を含む)による譲渡所得等が申告分離課税の対象となり、株式投資信託の受益権の場合と同様となりました。その結果、証券投資信託の譲渡所得等に対する課税は下表のとおりとなっています。

Point1

証券投資信託の受益権の譲渡(解約・償還を含む)による譲渡所得等は申告分離課税の対象となります。

  • 上場株式等のグループに属する上場・公募証券投資信託の受益権の譲渡(解約・償還を含む)による譲渡所得等は「上場株式等の譲渡所得等」として、一般株式等のグループに属する私募証券投資信託の受益権の譲渡による譲渡所得等は「一般株式等の譲渡所得等」として、いずれも申告分離課税の対象となりますが、「上場株式等の譲渡所得等」と「一般株式等の譲渡所得等」は、それぞれ区分して計算しなければなりません。
  • 証券投資信託の解約・償還により交付を受ける金銭等の合計額のうち譲渡所得等に係る収入金額とみなされるのは、次表のとおり、上場株式等のグループに属する公募証券投資信託(勤労者財産形成貯蓄契約等に基づき購入したものを除く)の場合は、その交付を受ける金銭等の全額(=利子・配当所得とされる収益部分を含めた金額)であるのに対し、一般株式等のグループに属する私募証券投資信託(勤労者財産形成貯蓄契約等に基づき購入した公募証券投資信託を含む)の場合は、その交付を受ける金銭等の合計額のうち信託されている金額(個別元本)に達するまでの金額(=利子・配当所得とされる収益部分を除いた金額)となっています。
区分 利子・配当所得の収入金額 譲渡所得等の収入金額
公募証券投資信託の解約・償還により
交付を受ける金額
なし その全額
私募証券投資信託の解約・償還により
交付を受ける金額のうち
信託されている金額(個別元本)を上回る収益部分の金額 信託されている金額(個別元本)に達するまでの金額

Point2

証券投資信託の受益権の譲渡(解約・償還を含む)による譲渡所得等に対する申告分離課税の税率は合計20.315%です。

  • 証券投資信託の受益権の譲渡(解約・償還を含む)による譲渡所得等に対する申告分離課税の税率は合計20%(所得税15%、住民税5%)ですが、確定申告の際に所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税(0.315%)が付加されます。

証券投資信託の譲渡所得等に対する課税

区分 所得区分 税率
上場・公募国内証券投資信託 上場株式等の譲渡所得等 所得税15%
復興特別所得税 所得税額×2.1%
住民税5%
上場・公募外国証券投資信託
私募国内証券投資信託 一般株式等の譲渡所得等 所得税15%
復興特別所得税 所得税額×2.1%
住民税5%
私募外国証券投資信託
メモ
  • 平成28年1月1日以後に外貨建公社債投資信託の受益権を譲渡(解約・償還を含む)した場合は、邦貨(円)換算後の金額が譲渡による収入金額とみなされますので、為替差損益を含めたものが申告分離課税の譲渡損益となります。この場合の邦貨(円)換算レートについては、外貨建債券の取引に用いられる邦貨(円)換算レートをご参照ください。

追加型の公募株式投資信託の普通分配金・特別分配金と個別元本の関係

普通分配金

分配後基準価額が個別元本と同額か上回る場合、その個別元本を上回る部分が普通分配金となります。
普通分配金は、元本から生じた収益に相当するもので配当所得として課税対象となります。

特別分配金

分配後基準価額が個別元本を下回る場合、その個別元本を下回る部分は特別分配金となります。
特別分配金は、元本の払い戻しに相当しますので、非課税であり、その特別分配金の額だけ、個別元本および取得価額は減額されます。

個別元本

追加型投資信託の収益分配金のうち、課税対象額(普通分配金)を算出するのに使用する税制上の元本です。
個別元本はお客さまごとに設定されるもので、当初は取得時の「基準価額」が個別元本となります。

  • 平成12年3月31日までに取得した追加型株式投資信託については、平成12年3月31日の「1口当たりの平均信託金」が個別元本として取り扱われています。
【普通分配金の例】
普通分配金の例
【特別分配金の例】
特別分配金の例

公募株式投資信託の譲渡損益の計算

公募株式投資信託の取得価額を計算する場合において、収益の分配時に特別分配金があったときは、直前の取得価額から特別分配金の額を控除した後の金額が取得価額となります。

【計算例】

取引年月日 取引 1口当たりの
取得単価
口数 1口当たりの
譲渡(買取)単価
口数 1口当たりの受取分配金
平成25年6月 買 10,000円 100口
平成25年9月 決算 特別分配金
300円
平成26年9月 決算 普通分配金
100円
平成27年9月 決算 普通分配金
400円
平成28年9月 決算 普通分配金
500円
平成28年12月 売 11,000円 100口

(注)計算上、手数料および消費税等は考慮しておりません。

平成28年12月に売却した100口の譲渡損益

[譲渡単価11,000円-(取得単価10,000円-特別分配金300円)]×口数100口=譲渡益130,000円

なお、同一銘柄の公募株式投資信託を複数回にわたって取得し譲渡した場合の取得費は、株式の場合と同様に「総平均法に準ずる方法」により計算します。詳しくは株式等の譲渡所得の金額の計算をご参照ください。

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