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証券税制早わかり 債券の税金

個人投資家のための 証券税制早わかり

債券の利子

平成27年12月31日以前に支払いを受ける債券の利子については、原則として、支払い時における源泉徴収により課税関係が完了する源泉分離課税とされていましたが、平成28年1月1日以後に支払いを受ける債券の利子については、金融所得課税の一体化により、以下のとおりとなっています。

point 1

債券(公社債)は特定公社債と一般公社債に区分されます。

  • 債券(公社債)は、上場株式等のグループに属する特定公社債(国債、地方債、外国国債、外国地方債、上場公社債、公募公社債その他一定の公社債(注))と一般株式等のグループに属する一般公社債(=特定公社債以外の公社債)に区分されます。

    (注)平成27年12月31日以前に発行された公社債は、同族会社が発行した社債を除き特定公社債に該当します。

point 2

利子の支払いの際に所定の税率により所得税等が源泉徴収されます。

  • 公社債の利子に対する源泉徴収税率は合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)(注)です。

    (注)同族会社が発行した社債(一般公社債に該当するものに限る。以下同じ)の利子で、その支払いの確定日においてその同族会社の判定の基礎となった株主等(同族関係者を含む。以下「同族株主等」という)が支払いを受けるものに対する源泉徴収税率は、15.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税なし)です。

point 3

利子に対する課税方式は、特定公社債の利子については申告分離課税(申告不要も可)の対象となり、一般公社債の利子については従来と同様に源泉分離課税の対象(注)とされています。

  • 特定公社債の利子(申告分離課税を選択したものに限る)は、上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除の適用対象となります。

    (注)同族会社が発行した社債の利子で、その同族会社の同族株主等が支払いを受けるものは、総合課税の対象となります。

債券の利子に対する課税

区分 所得区分 課税方式 源泉徴収税率
特定公社債の利子 特定公社債の利子所得 選択 申告不要 20.315パーセント
申告分離課税
下記以外の一般公社債の利子 一般公社債の利子所得 源泉分離課税
(確定申告不可)
20.315パーセント
同族会社が発行した社債の利子で、
同族株主等が支払いを受けるもの
利子所得 総合課税 20.315パーセント
メモ
  • 国際復興開発銀行(世界銀行)等の国際機関が国内で発行した円建外債の利子については、従来、国内での源泉徴収は行われず総合課税の対象とされていましたが、平成28年1月1日以後は、国際機関が発行した債券は特定公社債に該当し、その利子につき国内における支払いの取扱者を経由して交付を受ける場合は、所定の税率(20.315%)による源泉徴収が行われたうえで、申告分離課税(申告不要も可)の対象となります。
  • 国外発行・国外利払いの租税特別措置法第6条第1項に規定する民間国外債および同条第11項に規定する外貨債(外貨公債の発行に関する法律に規定する外貨債)の利子につき国内の支払いの取扱者による源泉徴収が行われないものは、総合課税の対象(申告分離課税または申告不要の選択は不可)となります。
  • 国外利払いの特定公社債の利子で国内の支払いの取扱者による源泉徴収が行われないものは、申告分離課税の対象(申告不要の選択は不可)となります。
  • 国外利払いの一般公社債の利子で国内の支払いの取扱者による源泉徴収が行われないものは、総合課税の対象(源泉分離課税の適用は不可)となります。

外国債券の利子

  • 国内において支払いの取扱者(金融商品取引業者等(証券会社等))を通じて交付を受ける「国外特定公社債の利子」(注1)については、平成28年1月1日以後、従来の源泉分離課税から申告分離課税(申告不要も可)に変更されたことに伴い、国外で源泉徴収された外国税額がある場合、その外国源泉徴収税額を控除した後の利子の金額に対し、合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率により、国内においても源泉徴収されます。その結果、国外と国内での源泉徴収税額に重なる部分が生じることとなります。

(注1)「国外特定公社債の利子」とは、国外において発行され、かつ、国外で利子の支払いが行われる「特定公社債の利子」のことです。

  • 一方、「国外一般公社債の利子」(注2)については、平成28年1月1日以後も従来と同様の源泉分離課税となっており、国内での支払いの取扱者による源泉徴収の際にいわゆる差額徴収方式(注3)による調整・計算が行われ、国外と国内での源泉徴収税額に重なる部分が生じないようになっています。ただ、お客さまが金融商品取引業者等(証券会社等)を通じて購入する国外公社債は、原則として、国外特定公社債であり国外一般公社債には該当しないと考えられます。

(注2)「国外一般公社債の利子」とは、国外において発行され、かつ、国外で利子の支払いが行われる「一般公社債の利子」のことです。

(注3)差額徴収方式とは、国外で源泉徴収された外国所得税額(みなし外国税額を含む)がある場合、その外国所得税率と国内源泉徴収税率(所得税15%、住民税5%)を合わせて20%となるよう調整(具体的には、国内で本来源泉徴収すべき税率20%から外国所得税率(みなし外国税額を含む)を控除)して、国内での源泉徴収税額を計算するという方法のことです。なお、所得税額に付加して源泉徴収される復興特別所得税は、差額徴収方式により計算した結果、国内源泉徴収所得税額が生じた場合にのみ、その所得税額に2.1%を乗じて計算することとなっています。

  • 国外特定公社債の利子に係る外国税額につき外国税額控除(みなし外国税額控除(注4)を含む)の適用を受けるには、国外および国内で源泉徴収された税額を控除する前の国外特定公社債の利子の総額(申告分離課税の利子所得)およびその外国税額などを確定申告書に記載し、かつ、「外国税額控除に関する明細書」その他の必要な書類を添付のうえ確定申告をする必要があります。なお、外国税額控除には一定の控除限度額がありますので、ご注意ください。

(注4)外国債券の利子についてみなし外国税額控除の適用を受けることができる国は、ブラジル、中国、フィリピンなどです。

債券の譲渡所得等

平成27年12月31日以前に債券を譲渡した場合の譲渡所得等は原則として非課税とされ、償還を受けた場合の償還差益は雑所得として総合課税の対象とされていましたが、金融所得課税の一体化に伴い、平成28年1月1日以後に債券を譲渡(償還を含む)した場合の譲渡所得等については、以下のとおりとなっています。

point 1

債券の譲渡所得等は申告分離課税の対象となります。

  • 債券の譲渡(償還を含む)による譲渡所得等は、申告分離課税の対象(注)となります。

    (注)同族会社が発行した社債(一般公社債に該当するものに限る)の償還差益で、その償還日においてその同族会社の同族株主等に係るものは、雑所得として総合課税の対象となります。

  • 特定公社債の譲渡(償還を含む)による譲渡所得等は「上場株式等の譲渡所得等」に含まれ、一般公社債の譲渡(償還を含む)による譲渡所得等は「一般株式等の譲渡所得等」に含まれます。
メモ
  • 利付債(既発債)を売買する際にその時までの経過利子に相当する金額を売買価額に上乗せして取引されている場合は、その経過利子に相当する金額も譲渡価額または取得価額に含まれることとなります。

point 2

債券の譲渡所得等に対する申告分離課税の税率は合計20.315%です。

  • 債券の譲渡所得等に対する申告分離課税の税率は合計20%(所得税15%、住民税5%)ですが、確定申告の際に所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税(0.315%)が付加されます。

point 3

発行時源泉分離課税の対象とされた割引債の譲渡(償還)益は非課税です。

  • 割引債の償還差益につき発行時における源泉分離課税(=発行時源泉分離課税)の対象とされた割引債を譲渡(償還を含む)した場合の譲渡(償還)益に対する非課税措置は、平成28年1月1日以後も維持されています。

債券の譲渡所得等に対する課税

区分 所得区分と課税方式 申告分離課税の税率
特定公社債(注) 上場株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
所得税15パーセント 復興特別所得税 所得税の2.1パーセント 住民税 5パーセント
下記以外の一般公社債(注) 一般株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
所得税15パーセント 復興特別所得税 所得税の2.1パーセント 住民税 5パーセント
同族株主等が保有する同族会社の社債 一般株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
(ただし社債の償還差益は雑所得として
総合課税)
所得税15パーセント 復興特別所得税 所得税の2.1パーセント 住民税 5パーセント

(注)発行時源泉分離課税の対象とされた割引債を除きます。

外貨建債券の取引に用いられる邦貨(円)換算レート

  • 株式等に公社債等が含まれることとなった平成28年1月1日以後、外貨建債券の譲渡損益の計算方法は、外国株式の譲渡損益の計算方法と同様に円貨ベースで計算することになります。
    外貨建債券の償還損益も譲渡損益とみなされることとなり、外貨建株式等の譲渡価額や取得価額の計算方法と同様に、償還金額は償還日のTTB(対顧客直物電信買相場)により円換算した金額、取得価額は買約定日のTTS(対顧客直物電信売相場)により円換算した金額によることとなります。したがって、外貨建債券の譲渡(償還)損益には外国株式の場合と同様に為替差損益も含まれることになります。

    (注)この場合の円換算レートは、取引先の金融商品取引業者(証券会社等)が公表している円換算レートによります。ただし、買約定日が平成10年3月31日以前である場合の取得価額については、外国為替公認銀行の公表するTTSにより円換算することとされています。

  • 外貨建債券を円貨を支払って取得した場合や外貨建債券の償還金を円貨で受け取った場合は、円貨による所得計算ができますから、あらためて円換算を行う必要はありません。

マル優・特別マル優の制度

『マル優(少額貯蓄非課税制度)』は、元本350万円までの公社債・預貯金等の利子が非課税となり、『特別マル優(少額公債非課税制度)』は、マル優とは別枠で、さらに元本350万円までの公債の利子が非課税となる制度のことです。

対象となる方
  • 身体障害者手帳の交付を受けている人
  • 遺族基礎年金を受けることができる妻
  • 寡婦年金を受けることができる人 など
対象となる商品 マル優 特別マル優
  • 一定の有価証券
  • 国内発行の利付公社債
  • 公社債投資信託(MRF・MMFを含む)(外国投資信託を除く)など
  • 預貯金、合同運用信託 など
  • 利付国債および公募地方債

(注)マル優、特別マル優の適用は、金融機関等(証券会社・銀行など)でお手続きができます。

  • マル優、特別マル優の制度は、利子を非課税とする制度であるから、平成28年1月1日以後、同制度の適用を受けている公社債の譲渡・償還により譲渡益・償還益が生じた場合は、原則として、「上場株式等の譲渡所得等」として申告分離課税の対象となります。

割引債の償還差益に対する源泉徴収

平成28年1月1日以後、割引債の償還差益に対する課税方式は、原則として、従来の発行時における源泉分離課税(以下「発行時源泉分離課税」という)方式から償還時における源泉徴収(以下「償還時源泉徴収」という)および申告分離課税方式に変更されるとともに、償還時源泉徴収の対象となる割引債の範囲が拡大されています。

point 1

割引債の償還差益に対する源泉徴収は、原則として償還時に行われます。

  • 次の①~④の割引債については、原則として、平成28年1月1日以後の償還時において「みなし償還差益」の金額(具体的には、発行日から償還日までの期間が1年以内のものについては償還金額の0.2%、1年超のものおよび分離利子公社債については償還金額の25%に相当する金額)に対し合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率による源泉徴収が行われたうえで、申告分離課税の対象とされます。
    • ① 割引の方法により発行される公社債(発行時源泉分離課税の対象とされた割引債を除く)
    • ② 分離元本公社債(=公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、その元本に係る部分であった公社債)
    • ③ 分離利子公社債(=公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、その利子に係る部分であった公社債)
    • ④ 利子が支払われる公社債でその発行価額が額面金額の90%以下であるもの
  • 国外割引債の償還金につき国外で源泉徴収された外国税額がある場合における国内での償還時源泉徴収は、その国外割引債が特定公社債または一般公社債のいずれであっても、その国外割引債の「みなし償還差益」の金額から国外での源泉徴収税額を控除した後の「みなし償還差益」の金額に対し、上記の税率を適用して行われます。
  • 特定口座内の割引債は、この償還時源泉徴収の対象から除かれており、特定口座内で償還金額を譲渡収入金額とみなして実額による譲渡損益の計算等の処理が自動的に行われます。
  • 平成28年1月1日以後、割引債の償還差益(=償還金額が発行価額を上回る部分)につき18.378%(所得税および復興特別所得税)の税率による発行時源泉分離課税の対象となるものは、預金保険法に規定する長期信用銀行債等および農水産業協同組合貯金保険法に規定する農林債の償還差益です。

point 2

平成28年1月1日以後に償還時源泉徴収の対象となった割引債についても、その償還金額を譲渡収入金額とみなして申告分離課税の対象(注)となる譲渡所得等の金額を実額で計算することになります。

  • 割引債の譲渡・償還による譲渡所得等は、その割引債が特定公社債に該当する場合は「上場株式等の譲渡所得等」に含まれ、一般公社債に該当する場合は「一般株式等の譲渡所得等」に含まれることとなります。

    (注)同族会社が発行した割引債(一般公社債に該当するものに限る。以下同じ)の償還差益で、その償還日においてその同族会社の同族株主等に係るものは、申告分離課税の「一般株式等の譲渡所得等」ではなく、雑所得として総合課税の対象となります。

割引債の償還差益に対する償還時源泉徴収と課税方式

区分 償還時源泉徴収 課税方式
特定公社債に該当する割引債の償還差益 源泉徴収ありの特定口座 みなし償還差益は源泉徴収の対象外

(注)実額で譲渡損益を計算
必要に応じ源泉徴収

選択 申告不要
上場株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
源泉徴収なしの特定口座 みなし償還差益は源泉徴収の対象外

(注)実額で譲渡損益を計算
源泉徴収なし

上場株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
一般口座 みなし償還差益に対し 20.315パーセント 所得税および復興特別所得税 15.315パーセント 住民税 5パーセント
下記以外の一般公社債に該当する割引債の償還差益 みなし償還差益に対し 20.315パーセント 所得税および復興特別所得税 15.315パーセント 住民税 5パーセント 一般株式等の譲渡所得等として
申告分離課税
同族株主等が支払いを受ける同族会社の割引債の償還差益 みなし償還差益に対し 20.315パーセント 所得税および復興特別所得税 15.315パーセント 住民税 5パーセント 雑所得として総合課税
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